「こんな家で暮らしたい」「住みやすさを追求したい」という家づくりへの思いは、時代とともにアップデートされています。最新の注文住宅のトレンドを押さえて、あなたの家づくりにお役立てください。
●玄関手洗い
「玄関手洗い」とは、玄関付近(玄関土間や玄関ホールなど)に設けた手洗いスペースのこと。
外から帰ってすぐに手洗いやうがいができるとしてコロナ禍をきっかけに人気が広がり、アフターコロナの現在も多くの支持を集める設備です。
たとえば玄関から洗面室が離れている間取りだと、帰宅後にウイルスなどが付着した手のままで家の中を歩くのは気が引けますが、玄関手洗いがあれば帰宅後の手洗い動線がスムーズになり、外遊びが大好きなお子さんがいる家庭でも衛生面で安心です。
また、来客に脱衣洗面室の生活感を見られたくない場合にも玄関手洗いは便利です。
ちなみに、玄関付近にトイレを配置する間取りも多いですが、近年主流のタンクレストイレは別途手洗いが必要になるため、トイレ内にあえて手洗いを設けず、トイレの外に手洗いを設けるケースも見られます。
このような間取りでは、玄関手洗いがトイレの手洗いも兼ねていることになり、設置コストの節約にもつながるでしょう。
●バルコニーなし
かつての戸建て住宅では、洗濯物干しのために日当たりのよい南面などにバルコニーを設ける間取りが一般的でした。
けれども最近は共働き世帯が増え、日中に屋外で洗濯物を干すのではなく、室内乾燥機や室内干しで乾かす人が増加中。その影響で、使う機会が少なくなったバルコニーをあえて省いた「バルコニーなし」の家の人気が高まりつつあります。
バルコニーをなくすことで、初期費用やメンテナンス費用の節約になりますし、定期的な掃除の手間も省けるようになります。
また、凹凸のないフラットな外観をつくりやすいため、シンプルモダンなテイストの家を建てたいという人にもおすすめです。
なお、バルコニーなしの家では、室内干しの効率を高めるために、ランドリールーム(洗濯から乾燥までを済ませる部屋)やサンルーム(壁などをガラス張りにして日差しを効率よく取りこむ部屋)などを設置する間取りも見られます。バルコニーなしの家を考えているなら、併せて検討してはいかがでしょうか。
●省エネ住宅
環境配慮への関心が高まる中、自宅でのエネルギー消費を抑える「省エネ住宅」がますます注目されるようになっています。
省エネ住宅とは、「高断熱・高気密・高遮熱」の3点に配慮した住宅のこと。具体的には、
・高断熱……屋根や壁を断熱材や高断熱窓で包んで、外気の影響を食い止める
・高気密……建物の隙間をなくして隙間風が入らないようにする
・高遮熱……遮熱性能のある屋根材や壁材で日射を反射させて、熱が入らないようにする
このような工夫によって建物への熱の出入りを抑え、エネルギーの使用量を少なくします。
省エネ住宅は、省エネへの貢献はもちろんですが、外気の影響を受けにくいため室内の温度を一定に保ちやすいメリットがあります。そのため、少ないエアコンの使用量で、夏は涼しく冬は暖かく快適に過ごせる「住んでいる人にも優しい住まい」といえます。
住宅に求められる省エネ性能は、家を建てる地域や、住む人のライフスタイルによっても異なります。設計者と相談しながら、我が家に合った省エネ性能を見極めることが快適な家づくりにつながります。
●ライフスタイルに合った家づくりを!
注文住宅の魅力は、なんといっても「家族のライフスタイルやこだわりを反映した家を設計・施工できる」ことでしょう。家族の憧れをカタチにしつつ、最新のトレンドも盛り込んで、満足のいく家を実現してくださいね。