政府は、2025年春から、省エネ住宅の取得を支援する「子育てグリーン住宅支援事業」をスタートします。
省エネ住宅といえば、これまでにもZEH水準住宅や長期優良住宅を対象に補助金などの支援策がありましたが、今回の「子育てグリーン住宅支援事業」では、新たに「GX志向型住宅」という省エネ区分を設け、取得した世帯に160万円を支援します。
●子育てグリーン住宅支援事業とは?
国土交通省と環境省が連携して、ZEH水準を大きく上回る省エネ性能を備えた「GX志向型住宅(脱炭素志向型住宅)」の新築を支援する補助金制度です。
対象となるのは新設の「GX志向型住宅」と、従来の「ZEH水準住宅」「長期優良住宅」で、一定の条件を満たすと住宅区分に応じた補助金が受け取れます。
●「GX志向型住宅」の基準や補助額は?
GX志向型住宅 | |
主な基準 | ・断熱性能等等級6以上 ・再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量の削減率35%以上 ・再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%以上(※) |
補助額 | 1戸あたり160万円 |
対象世帯 | すべての世帯 |
GX志向型住宅は、ZEH水準住宅よりもさらに高い省エネ基準が設けられており、断熱性能等等級は6以上、再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量の削減率35%以上となっています。
また、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー設備を導入することで、一次エネルギー消費量を100%以上削減する、つまり住宅で消費するエネルギーを実質ゼロ以下に抑えることが求められます(※)。
補助金の金額はZEH水準住宅や長期優良住宅よりも高く、1戸あたり160万円が受け取れます。ZEH水準住宅や長期優良住宅の補助金の対象が子育て世帯や若者夫婦世帯に限られるのに対して、GX志向型住宅では、すべての世帯が対象となるのも特徴です。
※)寒冷地の場合、再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量は75%以上が基準となります。
また、都市部の狭小地などでは太陽光発電システムが未導入でも、GX志向型住宅の対象となるケースがあります。
●「ZEH水準住宅」「長期優良住宅」との違いは?
ZEH水準住宅 | |
主な基準 | ・断熱性能等等級5以上 ・再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量の削減率20%以上 |
補助額 | 1戸あたり40万円(前の住宅を解体する場合は60万円) |
対象世帯 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
長期優良住宅 | |
主な基準 | ・断熱性能等等級5以上 ・一次エネルギー消費量等等級6以上 ・耐震等級3(2階建または平屋の木造住宅の場合) |
補助額 | 1戸あたり80万円(前の住宅を解体する場合は100万円) |
対象世帯 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
ZEH水準住宅と長期優良住宅との違いもチェックしましょう。求められる基準や補助額の違いはもちろんですが、ZEH水準住宅と長期優良住宅の区分で補助金が受け取れるのは、子育て世帯(18歳未満の子どもがいる世帯)と若者夫婦世帯(夫婦のどちらか一方が39歳以下の世帯)に限られる点に注意が必要です。
●対象となる住宅について
「子育てグリーン住宅支援事業」の対象となるのは、2024年11月22日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手した住宅です。
制度の内容や詳細な条件については、国土交通省などのHPをチェックし、最新の情報を入手するようにしてください。
今回紹介した「子育てグリーン住宅支援事業」のほかにも、住宅の新築にはさまざまな支援策が用意されており、条件を満たすことで手厚い支援が受けられます。
2025年に家を建てるなら、補助金を活用してお得にマイホームを実現しましょう!