衣類や生活用品を収納するだけでなく、必要なときにワークスペースとして利用できる。そんなハイブリッドな使い方ができる「カスタムクローゼット」を導入する住宅が増えています。
カスタムクローゼットとはどんな収納なのか、詳しく見ていきましょう。
●在宅ワークを快適にするカスタムクローゼット
コロナ禍をきっかけに広まったテレワークは、2025年現在、個人のライフスタイルに応じた「働き方の多様化」によって、身近な働き方として定着するようになりました。
そこで改めて注目されるのが、自宅で仕事をするときの環境づくり。
コロナ禍では突然のテレワークで十分な仕事環境を整備できないケースが多かったことから、家探し・家づくりにおいて「在宅ワークができる広い戸建てに住みたい」「書斎やワークスペースが欲しい」といったニーズが増えています。
とはいえ、敷地の広さに余裕がなかったり、将来的に出社勤務が基本となる可能性もあるなど、専用の書斎やワークスペースをつくるのが現実的ではないこともあります。そんなお悩みを解決してくれるのが、「カスタムクローゼット」なのです。
●収納以外にも、多用途に使えるのが魅力
カスタムクローゼットとは、内部に可動棚を設置し、多用途に使えるようにしたクローゼットのことです。
可動棚は、収納するアイテムや用途に応じて棚板の高さや間隔を調整できるため、空間を自由にカスタマイズできるのが特徴。収納のみならず、デスクや照明などを設置すれば、一人で作業に没頭できるワークスペースになります。
もしも将来、働き方が変わってワークスペースを使用しなくなった場合は、収納など別の用途で使いやすいようにレイアウトを変更できます。
●カスタムクローゼット活用術
カスタムクローゼットの魅力を最大限に活用するために、導入の際に用意したいものや、検討したいことは次のとおりです。
・コンセントを設置する
カスタムクローゼットの内部にコンセントを設置しておくと、ノートPCや照明の電源を確保でき、ワークスペースとしてカスタマイズしやすくなります。
また、オンライン会議のウェブカメラやヘッドセット、PCモニターを2台同時に使用するデュアルディスプレーといったデジタル機器が多いほど配線が混み合うため、デスクの裏に配線を隠すなど、配線計画も十分に検討しましょう。
・デスクは奥行40㎝以上のものを
ワークスペースのデスクは最低でも45㎝以上、できれば60㎝以上だとデスクに肘が置きやすく、足も壁などにぶつからないので作業しやすいでしょう。
壁面タイプで奥行の浅いクローゼットだと、デスクが入りきらないことがあるかも知れません。そのようなときは、折り畳み式のデスクを採用し、作業が終わったら折り畳んでクローゼット内に収納することをおすすめします。
・棚板や壁紙などにもこだわる
可動棚の棚板にはさまざまな色や素材があり、好みに合わせて選ぶことができます。また、クローゼット内部は小さな空間なので、広いリビングなどには使いづらい個性的な柄やデザインの壁紙を採用しやすい特徴もあります。気に入った棚板や壁紙を組み合わせることで、自分だけのオリジナルの空間をつくってみてはいかがでしょうか。