人間が生きていく上で、必要となる「衣・食・住」の3要素。中でも「住(住居)」は高額なので、マイホームを購入するか、それとも賃貸かという比較はしばしば議論のテーマになっています。
●「どちらが得」とは言い切れない
購入と賃貸ではどちらが得か? というと、住宅ローン金利が低い水準で推移している現在、同じ条件の住まいを購入する場合と賃貸で借りる場合の総支払い額は、あまり差がないとされています。
そもそも住宅は暮らしの快適性や安心に関わるものなので、一方がお得だからといってそちらを選べば正解という訳ではありません。
ですから、お金の損得ばかり重視するより、今と将来の家族の暮らしを考慮してさまざまな視点からメリット・デメリットを比較してみることをおすすめします。
●購入のメリット・デメリット
メリット
・自分の家があるという満足感・安心感
・自分の好みや都合でリフォームできる
・賃貸や売却が可能
・住宅ローンに団信が付帯している
デメリット
・住み替えがしにくい
・住宅ローンや税金の負担がある
・ご近所づきあいが負担になることも
マイホームを購入する最大の魅力は、家を所有している満足感や安心感を得られることでしょう。ライフスタイルに合わせて自由にリフォームができ、老後の住まいを確保できるメリットもあります。また、自分たちが住まなくなった場合に賃貸や売却に出すことも可能です。
住宅ローンを組んで、長い期間をかけて返済していくのは負担が大きいですが、住宅ローンには団信(団体信用生命保険)という保障制度があり、ローンを契約している一家の大黒柱が万一亡くなったときに残債をゼロにして、残された家族の住居を確保することができます。
●賃貸のメリット・デメリット
メリット
・ライフスタイルに合わせて住み替えがしやすい
・住宅ローンや税金の負担がない
・設備の交換や修理など、維持費の負担がない
・ご近所との関わりが少なくてもいいので気楽
デメリット
・ずっと家賃の支払いが続く
・思うようにリフォームができない
・高齢になると、住み替えが困難になる可能性も
賃貸の住まいを借りるメリットは、転勤、結婚、子どもの進学や独立といったライフスタイルに合わせて、住みたい場所にサッと住み替えができる身軽さが挙げられます。もしも住まいへの不満や、隣人トラブルがあっても「いつでも引越しできる」と気楽に構えることができるのではないでしょうか。
月々の家賃はかかりますが、高額な住宅ローンを組む必要がありませんし、税金や、住まいのメンテナンス・維持にかかる費用も発生しません。住まいを固定せず、人生の変化に柔軟に対応していきたい人にぴったりのスタイルといえるでしょう。
●「家族の暮らしに合う住まい」を考えて
自分の家を所有する「購入」と、フレキシブルに家を変えられる「賃貸」は、それぞれにメリットとデメリットがあります。住まいを検討する際は「なんとなく」で決めるのではなく、それぞれのメリット・デメリットを比較した上で、自分たち家族の暮らしに合う住まいのカタチをイメージしてみましょう。