家をつくるときに、屋上に憧れる人もいるのでは。
屋上のある家のメリット・デメリットを押さえて、家づくりの検討材料にしてくださいね。
●屋上がある家のメリット
・眺望がよい
周囲に遮るもののない屋上からの見晴らしは、室内の窓やベランダから眺めるより気持ちがよく開放的。
刻一刻と移り変わる空の色や季節ごとの景色を楽しめるのは、屋上がある家の醍醐味といえるでしょう。
立地によっては屋上から海を見下ろしたり、満開の桜や花火大会を観賞したりできるなど、屋上の魅力をたっぷりと味わえます。
・周囲の視線が気にならない
都市部の住宅密集地では、庭付きの家を建てても、道路の人通りや隣家の視線が気になって庭を使いづらいことも。その点、屋上は高さがあるため、周囲に高い建物がない限り人目が気になりません。
休日は屋上にテントやタープを張って“おうちキャンプ”をする、BBQをする、家庭菜園やガーデニングを楽しむ…など、プライベートな空間として利用できます。
・子どもやペットの遊び場になる
小さい子どもやペットのいる家庭では、屋上を遊び場にしてはいかがでしょうか。遊びに夢中になって道路へ飛び出すことがないので、安心して遊ばせられます。
また、夏場のビニールプール遊びも、屋上なら周囲を気にせず楽しめるでしょう。
注意点として、転落・落下物の事故が起こらないように、転落防止柵や安全ネットなどで万全の対策を行ってください。
・物干し場になる
敷地の都合などでベランダにゆとりがなくても、屋上が便利な物干し場になります。衣類はもちろん、布団や毛布といった大きな洗濯物を干せるのも、広い屋上ならではの魅力といえるでしょう。
屋上は日当たりと風通しがよいので、洗濯物が素早くカラッと乾きます。
●屋上がある家のデメリット
・コストが割高になる
屋上を設けることで、屋上部分の防水処理、階段や柵・フェンスの設置工事などが必要となり、屋上のない家よりも建築工事費が高額になりがちです。
また、屋根防水の劣化を防ぐために約10年おきに再防水を行うなど、維持・メンテナンスのための費用も発生します。
・定期的な点検・掃除が必要
屋上の排水口がゴミなどで詰まると、大雨のときに雨水があふれる原因になります。あふれた雨水で屋上がプール状態になったり、雨漏りが発生した…なんてトラブルに発展しないよう、1年に1回を目安に点検を行い、台風のシーズン前には排水口まわりの掃除を行いましょう。特に、屋上で家庭菜園やガーデニングをしている場合、落ち葉などが溜まりやすいのでこまめな掃除が必要です。
・使用頻度が低いケースも
屋上をつくったものの、「階段の上り下りが面倒」「近隣に高い建物が建って人目が気になる」といった理由で、あまり使われないケースも見られます。使用頻度が少なくてもメンテナンスのコストや掃除の手間は発生するため、家を建てる前によく考えてから屋上をプランするとよいでしょう。
●依頼するときは実績を確かめて
住宅メーカーや工務店はそれぞれ得意な構造・工法が異なるので、屋上付きの家をつくるなら、屋上づくりの実績が豊富な会社に依頼しましょう。屋上の用途や立地に合わせた施工や、住んでからの注意点など、住宅のプロ目線でのアドバイスが受けられます。