土地や家を探していると、物件概要に「防火地域」「準防火地域」と記載されているものを目にすることがあります。
この防火地域・準防火地域とは、一体どのような地域なのでしょうか?
●防火地域・準防火地域とは
防火地域・準防火地域は、都市計画法において火災を防止するために、建物を建てる際に制限が課せられている地域のこと。
駅前や建物が密集する市街地など、火災の被害が起こりやすい地域が防火地域として、その周辺などが準防火地域として指定されています。
●どんな制限があるの?
防火地域・準防火地域に家を建てるときは、建物の階数や延床面積に応じて、一定の耐火建築物・準耐火建築物にしなければならないと定められています(※下の表参照)。
・防火地域
延床面積100㎡以下 | 延床面積100㎡超 | |
3階以上 | 耐火建築物 | 耐火建築物 |
1~2階 | 準耐火建築物 | 耐火建築物 |
・準防火地域
延床面積500㎡以下 | 延床面積500㎡超 1500㎡以下 | 延床面積 1500㎡超 | |
4階以上 | 耐火建築物 | 耐火建築物 | 耐火建築物 |
3階 | 準耐火建築物 | 準耐火建築物 | 耐火建築物 |
1~2階 | 一定の基準に適合する建築物 | 準耐火建築物 | 耐火建築物 |
●耐火建築物と準耐火建築物
耐火建築物とは、建物構造部に耐火性能にすぐれた鉄筋コンクリートなどを使用し、延焼のおそれがある開口部には法令で定める防火戸などの防火設備を設けた建築物です。
準耐火建築物は、耐火被膜をした木造住宅など、耐火性能について一定の基準に適合する構造の建築物です。開口部は耐火建築物と同様に、防火戸などの防火設備を設けます。
このような耐火建築物や準耐火建築物を建てることで、万一屋内から火災が発生したり、周辺で火災が発生しても、
火の広がりを抑えて建物の延焼・倒壊を防ぎ、中にいる人が安全に避難できるようにするねらいがあります。
●防火地域・準防火地域の家づくり
防火地域・準防火地域で家を建てる場合、使える建材に制限があるため通常より費用がかかりやすく、工期も長くなる傾向があります。
使用する屋根材や壁材などはもちろん、費用やスケジュールについても、不動産会社や施工会社の担当者とよく話し合って決めていきましょう。
なお、防火地域で耐火建築物を、準防火地域で耐火建築物または準耐火建築物を建てると、指定された建ぺい率の緩和を受けることができます。
また、住宅取得時に加入する火災保険も、耐火建築物や準耐火建築物だと保険料が割安になるメリットもあります。
●防火地域・準防火地域を調べるには
住みたい地域が防火地域・準防火地域かどうかを調べるには、不動産会社や施工会社の担当者に尋ねるか、自治体の窓口に問い合わせるのがおすすめです。
自治体によっては公式サイトで都市計画図を公開している場合があり、そこで防火地域・準防火地域を調べることもできます。
防火地域・準防火地域は、家づくりの建材や費用にかかわることですので、きちんと事前に把握して、準備を進めていきたいものですね。