「所有している土地を活用したい」「副業で安定した収入を得たい」「相続税や固定資産税の節税をしたい」……などの理由で、アパート経営を目指す人が近年増加しています。
とはいえ、アパート経営を始めるには初期コストがかかりますし、アパートの維持管理やリスク対応など、いろいろなハードルがあることも事実。
そんなアパート経営の初心者さんの場合、まずは「小規模アパート」から始めてみませんか?
●そもそもアパート経営とは?
アパート経営は不動産投資の一種で、所有するアパートの各部屋を賃貸に出して、入居者から家賃収入を得るというもの。
長期的に安定した家賃収入を得やすく、相続税や固定資産税の節税効果があるなど、魅力的なメリットがあります。
●「小規模アパート」の定義は?
小規模アパートの明確な定義はありませんが、一般的なアパートが1棟6~8室くらいの部屋数であるのに対して、1棟4室くらいの部屋数の場合を小規模アパートと呼ぶことが多いようです。
●小規模アパートのメリットは?
・初期コストを抑えやすい
土地の条件(建ぺい率、容積率など)にもよりますが、大体30坪くらいの土地があれば、2階建て・ワンルーム4室くらいの小規模アパートが建築可能です。
30坪の土地なら取得費用や建築費用を少なく抑えられますし、既存の物件を購入する場合も、中規模以上のアパートやマンションなどより安くなります。
また、親から相続した実家が空き家になっている場合などに、新たに小規模アパートを建築して、アパート経営を始める人もいます。
・賃貸ニーズが高め
小規模アパートはワンルームや1Kといった一人暮らし用の部屋が中心。これらは学生や単身赴任をはじめ、未婚、配偶者の死別や離別による単身者が入居者ターゲットとなり、賃貸物件としては最も高いニーズが見込めるのが特徴です。
さらに、4室程度の規模なら全室角部屋であることが多いため、日当たりやプライバシーを重視する入居希望者の目にとまりやすくなります。
・手間が比較的かからない
アパート経営では、入居者審査や建物の修理・メンテナンス対応などの業務が発生します。部屋数が多いほど業務にかかる手間も増えてしまいますが、部屋数の少ない小規模アパートなら比較的手間がかからないので、オーナーの負担も軽くなります。
専業のアパートオーナーならともかく、働きながら副業としてアパート経営を行う「サラリーマン大家さん」の場合は、手間がかからないことは大きなメリットになるでしょう。
●高利回りより「手間のかからない」物件を
アパート経営のための物件を選ぶ際に、気になるのが「利回り」です。
利回りとは、投資額に対する収益の割合を数値化したもので、購入後にどれくらいの家賃収入が得られるかを知る目安になります。
一般的に築年数の古い物件ほど価格が安いことが多いため、利回りも高くなる傾向があるのですが、だからといってあまりに古い物件を購入すると、修理・メンテナンスが多発して高額な維持管理費用がかかる可能性もあるので注意が必要です。
古い物件より、築浅や新築物件のほうが修理・メンテナンスの頻度が少なく、入居者も集まりやすいなど、オーナーの手間がかからないというケースも多いです。
初めてのアパート経営ですから、なるべく手間がかからず、安心が得られる物件を選びたいものですね。
●万全の準備で経営をスタート!
ここでは小規模アパート経営の魅力をお伝えしましたが、アパート経営を始めるには不動産や税金、法律などのさまざまな知識を学び、メリットだけではなくデメリットやリスクもきちんと理解しておく必要があります。
アパート経営に関する書籍やWEBサイトをチェックしたり、投資用物件を扱う不動産業者に相談したりしながら、万全の準備を整えてアパート経営を始めましょう。